2009年の十枚(+4枚)

昨年は自分のアルバム制作と発売ライブと動き回っていたため、加えて無精な性格が手伝って2008年マイベストアルバムをお休みしてしまった(汗)
今回2年まとめてのマイベストアルバムです。
忙しかったせいか、歳のせいか、時代の流れなのか、ここ数年CDを購入する機会がめっきり減った。いかんなー、ふくよかな音楽は山のように生まれてきてるんだからなー。
皆さんもCD買いましょうね(僕のアルバムも含む・笑)
今回選んだアルバム、なぜかモノクロジャケットが多いな。偶然だが。
1 アラン・トゥーサン「ザ・ブライト・ミシシッピ」
ALLEN TOUSSAINT [ THE BRIGHT MISSISSIPPI ] `09
ジョー・ヘンリー本人のアルバムも大好きだが、彼のプロデュースのセンスも脱帽する。
アラン・トゥーサンの今回のアルバムはニューオリンズのアーリージャズを集めたもの。だが懐古趣味的な感傷は一切ない。生き生きとした大人の(おやじの・笑)音楽。アメリカンルーツミュージックを知り尽くした連中の奏でる音はしなやかで色っぽい。
2 チウォーニソ「レベル・ウーマン」
CHIWONISO [ REBEL WOMAN] `09
大学生の頃、まだ日本で「ヒーリング」という言葉が浸透していなかった頃、「ショナ族のムビラ」というジンバブエの音楽を聴き、初めて音に抱かれる(いだかれる)という体験をした。今までの音楽の価値観がガラリと変わった瞬間だったが、時を経て同じジンバブエの女性ムビラ奏者に出会った。限りなくPOPだが、アフリカグルーブ感と「癒し」の音をちゃんと受け継いでいる。
3 アントニー&ザ・ジョンソンズ「ザ・クライング・ライト」
ANTONY & THE JOHNSONS [ THE CRYINY LIGHIT ] 09
同じアーティストを選ばないという自らの規定を犯してまでアントニーのアルバムを再び選んでしまった。だって断トツにいいんだもん。
音楽の表現とは、沸き上がる感情の抽出だと思うのだが、彼(彼女?)には喜怒哀楽の濃縮と、さらにそれ以上の感情がほとばしっている。何なんだろう?「祈り」なのだろうか?
4 リー・エヴァートン「インナー・エグザイル」
LEE EVERTON [ INNNER EXILE ] `09
レゲエのコーナーに入れられている人だが、どちらかといえばジャック・ジョンソンあたりに相通じる、さわやか系音楽。
サウンドやコード進行等全てがシンプル。暖かみのある朴訥とした歌い方もいい。
5 ヌーブラ「ウナ・マレータ・イ・ウン・ペーロ」
NUBLA [ Una Maleta Y Un Perro ] `09
キュート!! POP!!  可愛〜い!! とにかく音がキラキラしている。
アルゼンチンのエレクトロニカ系の娘なのだが、エミニー・シモンなどのフランスのお洒落でアバンギャルドな音楽性にちょっと似ている。
6 ギル・スコット・ヘロン「アイム・ニュー・ヒア」
GIL SCOTT HERON [ I'M NEW HERE ] `09
いたる所でギル・スコット・ヘロンのフォロワーだということをリスペクトしてた僕だが、正直過去の人だと思っていた。それが何と13年ぶりの新譜!これがまたいい!!
相変わらずぶっきらぼーなポエトリーリーディングとお世辞にも上手いとはいえない歌声(さらに声の衰えも歪めない)なのに、この恐ろしいほどの気の吐き方は何だ?
逆にサウンドは最新の音。それがまた合う。てゆうか彼の音楽があったらこそ、今日のHIPなサウンドが生まれた訳だ。

7 メリッサ・ラヴォー「カンファー&コッパー〜ハイチと愛」                  MELISSA LAVEAUX [ CAMPHOR & COPPER ] `08
ハイチといえば、やれ貧困だ、地震だ、腐敗した政治だ、など「可哀想な国」というイメージが強いが、音楽はとっても豊か。
彼女のつま弾くアコギの音色は先鋭的でありながら、ジョセフ・スペイシスあたりの伝統をしっかり受け継いでいる。

8 ゴールドマンド「マラディ・オブ・エレガンス」
GOLDMUND [ MALADY OF ELEGANCE ] `08
エレクトロニカなのだが、全編を通してただただひたすらピアノをつま弾いているだけのアンビニエントなサウンド。ピアノも最低限の音しか出さない隙間だらけの音楽。その隙間に窓から差し込んだ日差しをも取り込んでいるかのよう。
干した布団で昼寝でもしているような音楽。

9 マックスウェル「“ブラック"サマーズナイト」
MAXWELL [ BLACKsummers' night ] `09
大好き! 全てのアルバムを持っている。
彼のファルセットで絞り込むような歌声を聴いていると夢心地になる。まるで水の中で重力が軽くなる時のような感じ。ちょっとファンタジーの世界。R&Bなのに(笑)
でも今回はよりブラックな感じになった。男ぽさが増したというか。

10 ケリーリー・エヴァンス「ザ・グッド・ガール 」
KELLYLEE EVANS [THE GOOD GIRL ] `09
カナダ生まれのジャマイカ系JAZZシンガー。
何より声がいい。程よくざらつき感と透明感が同居していて、明るくも暗くもない声。リズ・ライトやシャーディあたりをちょっと大雑把にした声(笑)  無国籍、ノンジャンル的な音楽性も面白い。

次点 ドリ・カイーミ「ドリ・カイーミ」
DORI CAYMMI [ DORI CAYMMI ] `88
ここ数年ブラジルものをむさぼるように聴いたが、その中で最もよく聴いたのがこれ。
僕のアコースティックギターアルバムの完成形のイメージがここにある。美しいサウンドと旋律さえあればもはや歌詞すらもいらないという事を証明してくれた音楽。
次点 ジョアンナ・ウォン「スタート・フロン・ヘア」
JOANNA WANG [ START FROM HERE ] `08
「台湾のノラ・ジョーンズ」といわれる何とも柔らかい声の持ち主。
アルバムが出た当初は19歳だったそうな。
その割にはちょっとけだるく歌う大人っぽい声。でもどこか浮遊感のある声。楽曲もいい。まだまだ一本調子だがこれからが楽しみなアーティストだ。
次点 ピーター・ブロデリック「ホーム」
PETER BRODERICK [ HOME ] `08
アイアン&ワインなどそうだが、アメリカの中部にはアコギのフィンガーピックで奏でるフォークロニカ系の人が多い。そしてなぜかその手の人たちはシンプルな音作りの割にスケールがでかい。日本にも何人かいるのだが、どうもこじんまりしてる。やはり土地柄なんでしょうかねぇ。
次点 大橋トリオ「アイ ガット リズム」
OHASHI TRIO[I Got Rhythm?] `09
インディから出していた頃から彼のファン。今回メジャーでフルアルバムが出たが、若干彼の独特の世界観が薄らいだ気がする。歌詞のせいか?
ただやはり音質や音の構成が数段厚みを増している。良質なJーPOPです。
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